医療的ケア看護師 講習会

 2024年7月19日・20日 心身障害児総合医療療育センターにて、医療的ケア看護師講習会を受講して参りました!                                                                     医療的ケア医師であり、永くその道を切り開いてこられた権威である心身障害児総合医療療育センターむらさき愛育園 名誉園長 北住映二氏の実践と研究から生まれたノウハウを学べる又と無い機会ということもあり、全国から医療的ケア看護師の皆さんが集まっていました。

 

今回の内容は、

◉ 呼吸障害 口鼻腔吸引・気管切開での吸引の実践的注意点、踏まえておくべき病態、呼吸状態悪化時の対処方法、気管切開ケアの実践(気管カニューレ自己抜去時の予防と対応)、人工呼吸器療法の注意点

 

◉経管栄養 経管栄養で踏まえておくべき病態(唾液の誤嚥・胃食道逆流症・十二指腸通過障害等)、実践的注意点、経鼻胃管挿入困難例での挿入方法、重症児者での胃瘻の注意点等

 

これらの知識、技術においては、以前8年在籍した都立光明特別支援学校と、立ち上げに関わった重症心身障害児放課後デイサービスの八成れいんぼうで深めた経験があることから、講義を聞きながら懐かしい気持ちでその頃出会った沢山の子どもたちやご家族の顔を思い出しました。

 

そして、何よりあの頃感じていた分離感。

社会にこの子たちの理解者や、友だちを一人でも多く増やすために色々な人と一緒に時間を過ごせる環境を作りたい。

 

Cocoonでも、少しずつですがそれが叶えられていることを誇りに思いながら

まだまだ、医ケア児の世界は広がっていくことをイメージしました。

 

 

Cocoonの子どもたちは、医療的ケアが必要なこと一緒に過ごす時「 なんで、おはなにヒモがはいってるの? 」 「 なんで、くるまいすにのってるの? 」と、率直に質問してくれます。私は、できるだけ簡単な言葉に替えて説明しています。食べたり、飲んだり、歩いたり、遊んだり、、、自分と違う手段でも、そうやって今を生きている、そして一緒に過ごしているってことは、、、

 

もう、友だちだよね!!

 

って、お互いに好なこと、好な遊び、苦手なこと、、

本当にお互い知り合っていくんです。 

 

やはり、色々な子どもたちが共に過ごせる居場所・遊び場に、いつでもアクセスできることが子どもの権利においても欠かせないことだと感じています。

 

実践研修は、このようなお人形等を用いて行われます。カップにルートがついたものは、経鼻もしくは胃瘻からの経管栄養時に使用する物品です。子どもたちにとって、大切な食事や水分補給の場面で使います。

 

ご家族や、支援学校の先生方、放課後デイケアのスタッフなど元々医療に関わっていない人も、医師の指示マニュアルと実技確認テストを合格した後に行うことが可能な医療的ケアの一つです。

 

しかし、呼吸状態の悪化や胃瘻チューブの抜管・経鼻チューブの抜管等の緊急時対応についての手技は一刻を争うこともあります。

ですから、このような手技の見直しと注意点をスタッフ全員に共有していくことが大切なんですね。

 

車椅子に乗っているお人形ですが、この座らせる角度によって、子どもの呼吸の楽さにつながったり、逆に唾液が間違って肺の方に流れ込んでしまう誤嚥性肺炎のリスクが上がってしまったり、、、

 

楽しく過ごしてほしい!!!

 

それには、どんな工夫がこの子には必要なのかを見極める必要があります。

これが、現場にいる私たち医療的ケア看護師の仕事です。

他に、呼吸介助法や排痰介助法も知っておく必要があります。

 

 

 

 

このモデルは、気管切開をしている子どもへのケア、万が一カニューレが抜管されてしまった時の緊急時対応を実践的に学ぶためのものです。

 

気管切開カニューレから、人工呼吸器を装着し酸素を体に取り入れるために命を守るためのものです。

それこそ、一刻を争うことを常に想定しておかなければいけません。

Cocoonに遊びに来ているお友だちにも、気管切開カニューレを使用している子はいます。公園に遊びに行った先での緊急事態にも、対応する心づもりでお迎えしています。

何より外遊びで子どもたちの遊びスイッチが入ること、そこから地域でお散歩する沢山の人に出会えることがインクルーシブな地域・社会づくりにつながっていくと思います。

 

研修会場の入り口にある岩には 「 明るく つよく 」と書かれていました。


学んでも学んでも学び足りない、奥深い医療的ケアの世界ですが、

まだまだまだまだ、

私も、社会全体も 明るくつよくなれる努力をしていかなければならないと感じています。