心地よさ
こんにちは。作業療法士の玉井くみこです。
マスク生活
顔の表情、喜怒哀楽も分かりにくい。察しにくい。
となれば、声で伝えたい。
喜んでいる気持ちも、楽しい気持ちも、そして優しい気持ちも
何気ない一言も。
もちろん怒っているときも悲しいときもです。
そんなことを考えながらこども達と過ごしてきました。
座り心地のいい椅子、触り心地のいいタオル、があるならば
耳にとって心地のいい言葉もあると思っています。
生まれたばかりの赤ちゃんは言葉を話しません。その代わりに泣いて自分の存在を表現します。
「共感」の土台である「共鳴」は、赤ちゃんの頃から始まります。
「あー。」「うー。」と発しながらお母さんお父さんとお話しています。可愛い声にうっとりしますよね。
寝ているだけと思われがちな赤ちゃんも、お母さんお父さんの声を聞いています。耳をたてています。
聞こえてくる言葉が赤ちゃんの中に少しずつ積み重ねられていく
だとしたら・・・。
息子たちにどんな言葉を聞かせてきたのだろうと、心配になってしまいますが、
もう遅い(笑)
そんな時に私がいつもお世話になっている言葉があります。
「これまでがこれからを決めるのではなく、これからがこれまでを決める。」 理学博士 佐治晴夫氏
この言葉に出会いどれだけ救われたか。
それ以降とても気持ちが楽になり、日々を過ごしています。
Cocoonのこども達と過ごす中で、私も環境の一部であることを強く意識しています。
立ち居振る舞いや言葉、気も心も、それらがこども達の中に積み上げられていく
◉私から積極的に話す、というよりは、こども達が発した言葉を拾い上げる
◉言葉のない時間をお互い楽しむ
◉私は私の感想を言う
◉自身の息づかいに気をかける
これらを意識したこの1年、こども達自身の成長に少しだけ+αできたかなと思う出来事がありました。
お昼ご飯の時、
この椅子がいい、私も僕も!!
と一つの椅子に3人のこども達が群がっていました。そんな時には必ずみんな私の顔を見る。(笑) 恐らく仲裁に入って欲しいのでしょうが、入りません。
どうするのかなぁと手を動かしながら見守っていると、何やら三人で話している。
話の内容が聞こえないところで見守りたかったので、手を動かしながらその場に目は向けず見守る。
すると、話が終わり、その中の一人がみんなが座りたかった椅子を持ってきて、あとの二人は違う椅子を持ってくる。
3人の表情はすがすがしい。
席に着くとすぅーっとお弁当を広げる。
それぞれすっきりしたんだなぁ。
この1年、心地よさを届けることを意識して、それがこども達に伝わっていれば嬉しいです。でも伝わっていなくても構わない。耳に届くのは言葉だけではないような気がしています。
こども達のまわりにいる一人の大人として、こども達のこれからを考えながら今を一緒に積み重ねていきたいなと思っています。